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						 幼い頃に母と別れて以来、父と二人で暮らしてきた青年・広一。 
 母のいない生活は広一の心に深い傷を与え、荒んだ日々を送っていた。 
 しかしそんな広一にもたった一つの心の支えがあった。 
 子供の頃の母の記憶だ。 
 まだ幼かった自分の目に焼き付いた母の美しい姿…。 
 それだけが広一の心の支えだった。 
 
 そんなある日、広一の下に一通の手紙が届く。 
 差出人はなんと母から。 
 二十年ぶりに会いたいと記されていた。 
 広一は喜び勇んで会うことにしたが…。 
 
 再会した母は記憶の中と寸分違わぬ美しさだった。 
 そして女神のように憧れていた存在を目の前にして広一の中にある感情が芽生える。 
 母さんを自分だけのモノにしたい。 
 それはつまり母を抱きたい、ということだ。 
 母に迫る広一。 
 母は拒む。 
 だが罪悪感から本気では拒めない。 
 そして二人は体を重ね合う。 
 拒めなかったのは罪悪感によるところだけなのか? 
 母の中にも広一に抱かれたいという想いがあったのではないか? 
 そして二人は邂逅する。 
 もう阻むものは何もない。 
 ただただ肉体を貪りあう。 
 広一は幸せだった。 
 やっと母と二人で生きていけるのだから…。 
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