あゆみは16歳の時に宏彰を妊娠し、親の反対を押し切って家出するように結婚、出産した。
宏彰が生まれて数年して、夫は突然いなくなってしまった。
あゆみは必死に働き、宏彰を育てた。
高校を中退していたあゆみは、学歴コンプレックスだった為、
宏彰を大学に入れようと昼は運送会社の事務として働き、
夜はスナックで働いて学費を必死で貯めていた。
宏彰は大学に行かずに就職したいと思っていた。
昼も夜も働く母を楽させてあげたいと思っていたからだ。
田舎の国立大学を志望していた宏彰に、
入試まで大学近くの旅館で勉強するようにあゆみは宏彰に勧めた。
宿泊先の旅館に向かいながら、宏彰は大学に行かないと告白するかどうか迷っていた。
そこまでしてくれる母にも悪かったし、母を女として好きだということも話してしまいそうだったから……。
お互いを思うがゆえに交錯する思惑。
そしてそれぞれの思いに気付いた時…。
透き通ったまっすぐな母子愛が確かにそこにあった。
「母子交尾 ~湯宮路~」
篠田あゆみ
3月26日発売です。
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